ノロウイルスってなに?
食中毒を引き起こす代表選手
食中毒は細菌性食中毒、化学性食中毒、フグなどの自然毒による食中毒、ウイルス性食中毒、寄生虫食中毒の5つに分類されます。
ノロウイルスはその名の通り、ウイルス性食中毒を引き起こす生物のひとつで、近年になってその感染者数が増えてきています。
特に冬場に感染症を引き起こすのが特徴で、冬に起きる食中毒のおよそ9割を占めると言われています。
当然ながら他の細菌類に比べてみても、その大きさは非常に小さく、体長約30ナノメートル(1ナノメートル=100万分の1ミリ)しかありません。
食中毒の原因菌として有名な「腸管出血性大腸菌0-157」が1.5マイクロメートル、「サルモネラ菌」で0.5マイクロメートル、(1マイクロメートル=1000ナノメートル)と比べるとどれだけ小さいかが分かります。その生態も他の細菌とは違っており、人の腸管でのみ増殖しますし、冬にピークを迎えるなど独自の性質を持っています。
ウイルスと細菌とはココが違う
食中毒を起こす細菌の特徴
- 付着した食品の中で増殖する
- 一年中発生するが、一番多いのは夏場
- 培養できる ※いわゆる腐った食べ物を食べる事により発生する食中毒ですね。
ノロウイルスの特徴
- 食品内では増殖せず、人の腸管内だけで増殖する事が出来る
- 一年中発生するが、一番多いのは冬場
- 培養できない
- 感染力が高く、少量(100個以下)でも発症し人の腸管内で増殖する
- エンベロープウイルスであり、アルコールに耐性がある
2002年に正式に「ノロウイルス」と名付けられる
ノロウイルスは1968年にアメリカのオハイオ州ノーウォークの小学校で起きた、集団の急性胃腸炎患者の便から検出されました。当時は発見された土地の名を冠した「ノーウォークウイルス」と呼ばれました。1972年に電子顕微鏡でとても小さな球形の菌であることが分かったため、「小型球形ウイルス(SRSV)」とも呼ばれました。
ノーウォークウイルス発見後、さまざまな非細菌性の急性胃腸炎を起こす小型球形ウイルスが発見されましたが、ノーウォークウイルスの仲間とそうでない仲間(サッポロウイルス属)とに分類されることが分かりました。
ノロウイルスの名が正式に命名されたのは、2002年にパリで開かれた第12回国際ウイルス学会の場。
それぞれの名称の頭の文字をとってノーウォーク様ウイルス属を「ノロウイルス」、サッポロ様ウイルス属を「サポウイルス」と呼ぶことが承認されました。
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